上場メーカーでの25年余の実績を経て経験を
活かし、かつ新たなチャレンジを求める
財務部門へ転職
25年半勤めた大手電気メーカーから、斡旋会社を通じてシーレックスに転職しました。次長職で入社後、前の部長である現本部長から、約2年半手ほどきを受け、部長を引き継いで、気持ちを新たにしているところです。前職でも管理部門に長く在籍しました。工場の経理から本社の総務、海外赴任も経験し、後半の約10年は経理部にいましたが、当時新たに制度化された内部統制監査(J-SOX法)への対応も一段落し、そろそろ違う環境で仕事ができないかと。面接で話を聞いた上で、最終的にシーレックスに決めた理由は2つあります。自分の今までの経験が活かせる点と、逆に、経験してこなかったことができるという点。シール・ラベル印刷という特化した技術を有し、歴史のある会社だということも、安心材料となりました。上場企業の経理といえば、決められた制度のなかで決算をまとめて有価証券報告書などを作成し、発表するといった外向きの業務が主ですが、財務部は資金繰りや金融機関との折衝、経営会議資料の作成など、直接経営にかかわる仕事。そういうところにも魅力を感じましたね。
メーカーという意味では前の会社と変わりませんが、ありきたりな言い方ですが、シーレックスはとても風通しのいい会社です。毎月1回行われる営業会議には、財務部、人事総務部、工場長もテレビ会議を通じて出席し、情報の共有が緊密にできます。週1回の部内の朝会では、こうした他部署の情報から、プライベートな週末の出来事まで何でも話題に上ります。入社して一番驚いたのが、社長との距離が近いこと。非常に率直な方で考えが理解しやすく、毎週全社員にブログでプライベートな出来事を紹介したり、年初や年度初めなど節目で話される訓示を聞いていると社員を第一に考えてくれていることを感じました。
財務は会社の羅針盤
緻密なデータ分析で未来像を提示する
シーレックスは上海に子会社を設立し営業を開始しました。中国企業を相手に電気製品部品の販売活動を行っていた営業課長が、業務をさらに拡大したいと現地法人設立を提案し、今年初めにゴーサインが出たのです。その立ち上げをフォローするため、営業サポート部から商社での経験が豊富な人が一人と、財務からは私が参画することになりました。中国側の制度がめまぐるしく変わる中、事前に得ていた情報と実際の話が食い違うことも多く、確認のために3人が交互に上海を往復しながら、短期集中で取り組みました。前職で海外の会社を立ち上げたときのノウハウも活かせましたし、、プレッシャーを感じながらも主体的にでき、周りの協力もあってほぼ予定どおりに設立できたのはよかったと思います。もちろん、本当の苦労はこれからですが。
財務は会社経営の舵取り役というか、羅針盤のような存在です。数字の集計とデータ分析に力を入れ、シーレックスの利益の源泉が何なのか、現状の損益の構造をしっかりと把握した上で、会社として向かうべき方向性について、経営層に伝えていく。それこそが財務部の仕事の醍醐味でしょう。また、財務でまとめる数字は通信簿。各部署が一所懸命努力した結果といえますが、その点数のつけ方が分からなければ成績は上がらない。ですから、シーレックスという会社の強みと弱みを知るためにも、財務部が率先して情報を提供していかなければならないと思っています。そういえば、今月どれだけ売上が上がったかを、誰よりも早く、極端な話、社長よりも先に知ることができるのも、財務の仕事の面白さのひとつですね。
新しい挑戦といえば、ランニング部に入部しました。新入社員もいる中で、50代は2人だけ。リレーマラソンや駅伝など各種大会にエントリーして、若い仲間と走っています。練習は各自のペースで、大会は参加できる人だけですが、大会前の決起集会には、当日のレースに参加できない人も加わり意気が上がります。転職のことを話したとき、妻は特に何も言いませんでしたが、やはり不安もあったかと思います。でも、以前より愚痴も減ったし、オフの日ものびのびやっているので、今は内心、喜んでくれているのではないでしょうか。
2014年9月2日 インタビュー